災害時、あなたはペット同行避難できる?-認定動物看護師がネコと避難訓練参加してみたレポート 中-

高知県須崎市在住の、動物看護師のまゆゆこと 武田真優子 @aisu_dog です。ペット泊まれるすどまり宿「どうぶつすどまりBOOK」のオーナーをしたり、絵を描いて理解の手助けをするグラフィックコネクターをしています。

前回のエントリで、 ペットとペットと共に暮らすヒトも、 「災害弱者」…別の言い方では「手助けが必要な方 ボーナブルな方々( people who are vulnerable )」であるとお話ししました。

これには実際やってみて身に染みた理由があるのですが、それは次回の「下」に譲ります。

結論は変わらず以下です。

現状では「車中泊」か「自宅に戻る」の二択になるかと思います。どれだけあなたのペットがしつけられていても。

今回は、平成30年の集中豪雨でも、今回の台風15号、19号でも問題となった「ペットと避難所へ行く」を避難訓練で実体験してきました。

それでは、はじめます!

2019年12月15日、高知県立大学・高知医療センター合同避難訓練、参加。

またどこかいくんですか、とネコ店長こむぎ
10時少し前の、車に載せられたネコ店長こむぎ

ごった返しているところに行くと邪魔かなぁと、逡巡する被災者を演じつつ、10時避難所開設とのはなしで、10時40分くらい着で高知市へ向かいます。

大学について気づく。

あれ、私自分の避難リュックサック忘れた。

けれどまあ、緊急時そういうこともあり得ますよね。ネコのものはばっちり持ってきたので、問題なしです。

ペットと旅行中や、動物病院へ連れて行っているときに被災するなんてこともありえます。まったく知らない土地で被災した想定。避難所の方はネコがくることは知りません。さて、どうなる。

くれぐれも間違っていただきたくないのですが、

私は災害時に「人命救助が優先」ということ揺るがないと思っています。

1自分の命
2周りの人の命
3ペット

であると、学生にも伝えています。
まず自分が生き残らないことには、ペットを救うことなんてできません。ケガをしないで自分が生き残れることが、ベストです。

自分よりもペットを優先する心優しい学生や、ともに暮らす方に出会いますが、これは実は優しくありません。自分が死んだら、その子たちはその後どうなるのでしょうか。。。

また、(考えることは避けたいのはやまやまですが)自分が死んでしまった後のことを平時から考える行動することこそ、ペットのためであり優しさであると、私は考えます。

(だからこそ、サービス付きネコ住宅をつくったんですが、そうはうまくいかないというお話で)
(このお話は、自己紹介にすこし載せています

🐶🐱🐰

さて、10時40分、高知県立大学につきました。
キャリーリュックサックに入れているけれど、見たらネコとすぐわかります。すれ違う人が「ネコだ…」といいます。さて、どうなるかね、こむちゃん。

体育館入口にて。

てくてく歩いて体育館入口へ。そこでは避難所が開設されており、受付がありました。名を名乗り、受付用紙をもらうも、ネコがいます。


責任者の方が、運営指揮をとっている方に指示を仰ぎます。


「ネコちゃんと来られた方がいます」

やりとりは私も聞いています。

「個室にお通しするのはいかがでしょうか」

すぐそばに使われていない個室がありました。けれど、 ちょっとずつ雲行きが怪しくなってきます。要約すると、

個室はもっと優先すべき人に使いたい

「でも、とてもおとなしいネコちゃんですよ」

と、私とネコのほうを向きながら、責任者の方は交渉してくださる。

「・・・わかりました。お伝えします」

責任者の方はたいへん申し訳なさそうに「外へ」と私とネコに指示しました。

「他にもゴールデンレトリーバーといる方がいるから」
「わかりました。けれど、さすがにゴールデンレトリーバーと並ぶことはできないので、飼い主さんと交渉します」

私たちは外に出ました。ゴールデンレトリーバーと飼い主さんはいませんでした。

くれぐれも、ここで誤解していただきたくないのは、私はこの状況になることは予測していたという事です。緊急時、人命が優先。その中でペット連れは、アレルギーの問題のありますし受け入れてもらえないことは知っていました。

けれど、実際に言われて外に出たときに思ったのは、

「これ、体調悪くなるな」でした。私は微妙に風邪気味でして、このとき晴れていましたし寒いと感じるほどではありませんでしたが、夕方になったら寒くなるので、ネコもいますし、ここにずっといるわけにはいきません。

ゴールデンレトリーバー、おらん。

う~ん。なかなか厳しいな。
赤ちゃんを連れていても、避難所に入れないってことはないわけで。

今年の台風災害の時にホームレスの方が受け入れてもらえなかった話があったが、それと同じな気がしました。

日向はそこそこあたたかいが、日陰は寒い。

ペットがいるから避難所に入れないですよ。


じゃあペットを捨てるのか?そんなことは考えもしない。
自分がペットといる選択をするんだから、避難所には入れない。

それなら「車中泊」か「自宅に戻る」かどちらかの選択になる。

ペット同行避難が、環境省でも高知県でも推奨されている。
ここでいう「避難」は「避難所へいくこと」とイコールではないことはわかっている。けれど、避難所には入れない。


私は、11月に個人的に避難所運営ゲーム HUG のゲーム会を開催した(この話はまた別の機会に)。模造紙に、避難してくる人をカードで表現して、体育館や教室にその避難してくる人を配置していくのだ。被災時の想像力を養うためのゲーム。

運営する側はペットが来る想定をしていなかったので、どんどん来るペット連れに「もう来るな」と言っていた。「鳥なんか逃がせ」と言っていた。寒空の下、体育館の軒先にペット連れを配置しようとした。助言して同伴する部屋をつくってくださったものの、ペットとくる方をどんどん詰め込んでしまっていた。喧嘩をしていると言っても「我慢してもらう」と言った。

これは、ゲーム上の話。また、このゲームで上記のことを言った方は決して悪い人ではない。むしろ優しいおんちゃんとおばちゃんたちだ。

・想定していないことが起こるから対応に困っている
・60代以上の方の昔のペットとの暮らし方の考えを持っている

ということが考えられた。

けれど、被災時の人命が失われるだろう中では、もっと想像を絶する環境で、ペットのことなんて考えられないだろうことが予想できる。

南海トラフ地震は、必ず、来る。
そしてペット同行避難問題は、東日本大震災でも、熊本地震でも、平成30年西日本豪雨災害でも、他の災害でも起きていた。

だからこそ、まだ地震が来ていない今だからこそ、私たちにはできることがあるのだ。

**

どうやら、炊き出しがあるらしい。

そういう声が聞こえてきて、ネコを入れ物に入れて炊き出しへ行くことに。ここでまた困ったが出てきた。

・ネコを置き去りにすることになる
・荷物を置き去りにすることになる



ふたつめは、ひとり暮らしの方なら起こりえることである。また、

・避難所の外にいるので情報が入ってこない

ことも体感した。これはなかなかに厳しい。
ともかく、体育館内へ向かう。

あたたかい食べ物は、こういうとき安心をもたらすんだなと。

アレルギー表示がされている。けれど、実際はどんどん食料が送られてくると聞いた。そのときにはきっとこの対応はベストで、無理な時もあるだろう。そんなとき、どうするのか。」

🐶🐱🐰

私は動物看護師で、こういう緊急時こそペットが持つ力を知っている。ニコニコしてネコをなでたり、笑いかけたり。こういうときこそ、ペットたちが必要なんです。

そのために、私ができることはなんなのだろう。

**

このあと、自主避難訓練は続きます。

高知蔦屋書店、外のペットOKテラスにて

椅子にリードがからまって動けなくなったネコ店長こむぎ。
ゲラゲラ笑ってたら紐に向かってじゃれ始めました。
外でも食べるし、飲める。

トイレはさすがになかなかしないのですが、帰りの車の中でしました。

「そんなに我慢させて、ネコがかわいそう!」

と思われる方もおられるかもしれませんが、今この猫は元気で、平時で健康だからこそ訓練をする意味があります。

私は動物看護師ですから診断はできませんが、お仕事として動物の様子を見ていましたので、多くのペットと暮らす方よりはたくさんのペットを見てきているかなと思います。

もしこの訓練でネコが体調悪化したとしたら、それは家族として責任をもって動物病院へと連れていきますし。

くれぐれも申し上げますが、平時だから訓練することに意味があるのです。もちろん、ネコの性格や状況もありますが一概に避難を進めるものではないですが、「逃げない」という選択肢もあることは、今回のエントリで、頭の片隅においていただけると助かります。

さて、今回はここまで。次回は、まとめを書きます!!

ほな、また!

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